福祉・医療貸付の継続で意見分かれる−厚労省内事業仕分け(医療介護CBニュース)

 厚生労働省が4月19日実施した「省内事業仕分け」は、独立行政法人(独法)「福祉医療機構」が対象になり、同機構の社会福祉法人や医療法人への貸付事業について、独法で継続すべき事業かどうかで意見が分かれた。同機構の事業で、年金を担保に融資する年金担保貸付に関しては、年金担保融資と生活保護を繰り返す事例が多発していることから、制度の見直しを求める声が聞かれた。

 この日の議論に先立ち、同省事業仕分け室は、福祉・医療貸付事業について、「日本政策金融公庫に移管することはできないか」と提起した。これを受け、仕分け人から政策金融公庫との役割の違いを問われた同機構は、「政策金融公庫は、融資期間が5年から7年で運転資金。私どもは20年程度の期間で施設整備に融資をしている」(長野洋理事長)と述べた。また同理事長は、融資の判断として「地域医療の質を高めるかどうかの視点も重視している」と強調した。

 このほか、福祉・医療貸付事業について仕分け人からは、「政策的な金融は必要不可欠だ」(河北博文・河北総合病院理事長)との声や、「社会福祉法人だけ優遇しているのではないか」(菊池馨実・早稲田大学法学学術院教授)などと意見が分かれた。

 事業仕分け後、長野理事長は記者団に対し、「政策金融公庫との統合・合併ということになると、福祉と医療が埋没してしまう。福祉と医療に(融資する)専門機関を強化すべきだと思う」と述べた。

 年金担保融資に関して、長妻昭厚労相は「廃止を含め、融資制度を検討していく」との考えを改めて強調した。同省は、年金担保融資を利用し、返済中に生活が苦しくなり生活保護を受給する事例が、4908人で貸付件数の2.3%、年金担保融資と生活保護の受給を繰り返し行う事例が786人で同0.4%であることを明らかにした。


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