粘り腰の首相、米大統領の「感謝する」自信に(読売新聞)

 続投か、退陣か――。鳩山首相の進退を巡る首相と民主党の小沢幹事長らの1日の協議は、結論を2日以降に持ち越した。

 首相は政権維持になお意欲を示しているが、参院選を控えて党内の反発は強まっており、予断を許さない情勢だ。 

 「総理、続投ですか!」

 1日夜、国会内で小沢氏らとの会談を終えたばかりの首相に記者団が問いかけると、首相は無言で左手の親指を立て、笑顔を見せた。

 「首相はしぶとい。簡単に辞めるタマじゃない」

 首相の周辺は「続投」のサインと見てとった。

 沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題で迷走を重ね、内閣支持率の急落と社民党の連立政権離脱を招いた首相に対し、民主党内の批判は強まる一方だ。しかし、当の首相は周辺に「なぜ普天間で辞めなければならないのか」とこぼしているという。沖縄や社民党の反対を押し切ってまで、同盟国・米国と共同声明をまとめあげたではないか、という自負心が働いているようだ。

 一時は関係が冷え切ったオバマ米大統領が5月28日に電話で、日米共同声明について「感謝する」と伝えてきたことも、首相の自信につながっている。

 オバマ大統領はこの電話で、25〜27日にカナダで開かれる主要国首脳会議(サミット)での再会を首相に呼びかけた。首相も「サミットには絶対に行きたい」と強く希望しているという。約1年で退陣を余儀なくされたが、サミットには出席した自民党の安倍、福田、麻生の歴代首相に対する鳩山首相のライバル心を指摘する向きもある。

 昨年9月の政権発足以来、普天間問題への対応に追われて他の課題には十分に取り組めず、「道半ば」という思いもあるようだ。首相は5月28日の記者会見で、NPOなど民間の活力を育てる「新しい公共」について、「もっと理解いただきたい。そうすれば新しい政権ができたという実感を持っていただけると確信している」と言い切った。

 首相の進退を巡り、首相自身と小沢幹事長という民主党の最高実力者がひざ詰めで何日も話し合うという異例の事態は、「リコール制度もない首相は、自らギブアップしない限り、なかなか引きずり降ろせない」(政府関係者)という現実を改めて浮き彫りにした。

 ◆参院議員総会がヤマ場◆

 参院選をにらんで危機感を強める小沢氏にも、首相にそう厳しくは辞任を迫れない事情がある。自らも「政治とカネ」の問題を抱え、内閣支持率の低下を招いた経緯があるだけに、露骨に「鳩山降ろし」を主導すれば、前原国土交通相ら「反小沢」グループから「小沢氏も辞めるのが当然だ」と声が上がるのは確実だからだ。首相側も、こうした党内力学を見極めて強気の姿勢をとっている節がある。首相周辺は「支持率が下がったから、では『鳩山降ろし』の大義名分にはならない」とけん制する。

 ただ、首相が続投に向けた関門を完全に突破したとは言い切れない。2日午前には首相に厳しい声が多い参院の議員総会が行われるが、党執行部の1人は「この日が勝負だ。ここで片づかなければ、鳩山首相のまま参院選に突入し、取り返しのつかないことになる」と、総会が辞任のてこになることを期待する。

 首相側も、この場が退陣論一色になることを警戒している。首相は1日夜、平野官房長官らと今後の対応を協議した。

 (政治部 川嶋三恵子、黒見周平、白石洋一)

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